アルテッツァシリーズ2004第3戦

冷静沈着、計算された走りでパーフェクトウィン!

ツインリンクもてぎ 7/18

予選

シリーズリーダーで迎えた第3戦は、M.A.R.T.メンバーが集結するだけに「オレが見本にならんとな~♪」といっけんご機嫌な様子で土曜日の練習に入ったチャボ。…だが、ココロの内はけっこう大マジだっただろうと推測される。何しろ生きて帰りたきゃ優勝しやがれっ!のスパルタチームのRS千野(1、2戦のレースレポート参照)。もはや2位では許されない状況なのだ。
そして迎えた予選。土曜日に決まったセットアップのままピットロードへ。前回の菅生戦では、勢いよく1番手でコースインしたものの、まんまと赤旗にアタックを寸止めされてしまうという手痛い経験をした。そこで今回はラスト狙い。次々と車両がコースに出ていく姿をじっくりと見送り、誰もいなくなった見通しの良いピットロードを走り抜けてコースイン。前回とは全く逆のやり方だがこれは計算の上。気温が高いため路面温度からタイヤの内圧が早々に高まることを予想し、アタックは2周目の一発にかけた。これが見事に成功し今季初のポールポジションをGET。いつものおちゃらけチャボはどこへ行ったの?というくらいに研ぎ澄まされた集中力を見せつけた予選だった。が、ポールを取ってもチームは特別に騒ぐ雰囲気もなし。ちょっぴり寂しくなったのか「オレのポールエキスをくれてやる~」と、インテ予選前のゴッツの応援へ…もとい自慢しに駆けつけたのでした。

決勝

ポールポジションで迎えたスターティンググリッドは視界良好で気持ちよさそうなチャボ。久しぶり(!?)のチャボの快挙にグリッドに駆けつける応援者も熱が入る。そして決勝。キレのある抜群のタイミングでスタートを決めトップで1コーナ‐へ。1周、2周と周回を重ねるごとに2番手との差を広げていくチャボ号。中盤以降は後半戦のためにタイヤ温存を念頭に、2番手、牧田選手との間を計りながら約2秒差をキープする。牧田選手がコンマ5タイムを縮めると、チャボもコンマ5タイムアップするというように、チャボらしからぬ冷静沈着な走り……。昨年は中盤戦でミッショントラブルに見舞われ優勝を逃すという、苦い経験も頭をよぎったようで「壊れないでくれ~」と拝みながら走っていたらしい。そんなチャボの不安な胸のうちとはよそに、中盤になるにつれ車とタイヤのマッチングが良くなり、8周目にはなんとファステストラップを更新! ときに、優し~いメカニックが用意してくれたドリンクを“チュッ”と飲んで集中力をキープしながら終始安定した走りをもって、トップでチェッカーを受けた。予選はポールポジション、決勝はファステスト&優勝!と、バッチリ決めたチャボ殿下。正直、上手く行き過ぎて笑いが止まらない!?いやはやキメ過ぎちゃって怖くなるくらいにスマートな勝ち方なのでした。さてチームに戻ると「次の鈴鹿でおまえの真価が問われるな…」と男気ある祝福の言葉が。ビールの海に浸かりかけていたチャボの酔いも一瞬で冷めたそうな。

PHOTO:小林克好・柳田由人 / TEXT:サヤマネ