アルテッツァシリーズ2004第5戦

スタート前には土砂降りに。GTのピットでは「ええっ、この天候でレースやるの? 中止じゃないの?」なんてGTドライバーが言っていたとか……・

2連勝で気分上々っ!
ついでにプレッシャーも上昇!?

ツインリンクもてぎ 9/4-5

予選

第3戦、第4戦と2連勝を決めたチャボ。第5戦は、ポール、ファステストラップ、優勝とパーフェクトで今季初優勝を決めたもてぎだ。金曜日の練習は前回のもてぎ戦と同じセットアップで走行。本人いわく「全く問題なし」と余裕のコメント。だが、なんとなく流れるチームからの無言のプレッシャーはあいかわらず続く。いやむしろ、余計に重圧が大きくなっているような…。何しろここのところミッション交換の作業風景がお決まりのメニューになってきた。念の入れようがハンパじゃない。

一夜明けて土曜日の予選。どんよりと厚い雲がもてぎの空を覆っていた。いつもなら予選時間ギリギリまでテントから出ないチャボ号は他の車両よりもいち早くテントを後にした。雨が降る前に、ドライのうちにタイムを叩き出すコト。これが今回のチャボに与えられた課題。

いよいよ予選スタート。ピットアウトして3周目にアタック開始。13秒台を叩き出してピットへ。「いま、何秒?2位との差はいくつ?」せわしく聞くチャボをよそにメカニックは決勝用のタイヤ交換。「えっ?もうアタックしないの?」とまだ物足りなげな声を出すチャボを制しつつ「皮むきしたら戻ってこいよっ」。結果は一人13秒台でポールポジションゲット!

決勝

アルテッツアレースは常にハプニングが起こる運命にあるらしい。以前もスタート直前になって土砂降りになったことがあった。今回もまさにそれ。テントから出たときは小雨だったがグリッドについたときには土砂降りに。さらにチャボ号はグリッドでタイヤ交換を行うというメニューが残っていた。ピットアウトして1周。グリッドについたら先に温まったリヤタイヤをフロントに履かせる寸法。FR車ならではの手だ。超早業で作業を終え決勝へと挑む。

オハコのスタートはいつものようにバッチリと決めたが、2コーナーから先は路面に流れる川との戦い。1周1周ラインを探りつつスピンしないように車両コントロールに苦しむチャボ。おまけにどアンダーに襲われていたらしい。何とかコースに留ろうと悪戦苦闘していると、後ろから猛スピードで追い上げてくる牧田号が出現。明らかに牧田号のセットが決まっていることが分かるとチャボはあっさりと道を譲った。「すんませ~ん」と手を合わせながらピットレーンのメカに謝罪しつつ通過するチャボ。ところが1周もしないうちにチャボの目の前で牧田号はスピンアウトし戦線から離脱(後に「念力が効いた」とチャボ)。「おまえ、運いいな」と3つ目の優勝カップを手にしてテントに戻ってきたチャボにメカから祝福の言葉が飛び交う。「オレ、死ぬのかなぁ…。ツキ過ぎだよねー」。運がいい自分に慣れていないチャボなのでした。

PHOTO:M.A.R.T. / TEXT:サヤマネ

アルテッツァシリーズ2004第4戦

「勝利のシャンパンはまいう~」と運も呼び込んだ表彰台の上で至福のひととき。この瞬間が味わいたいからまたすぐにレースしたくなっちゃうんだよねっ。

ナリフリ構わずガマンの走りで怒涛の2連勝達成!

鈴鹿サーキット 8/21-22

予選

悪夢のTIから早一ヶ月。第2戦の舞台はスポーツランド菅生。今回の気合は予選から全開モード。なんつったって先頭に並んで一番最初にコースインしたんだよ。
でもね、こういう時に限って珍しい事が起きるんだ。ベテラン中のベテラン、福嶌選手が早々にクラッシュ&リタイア。で、赤旗中断。惜しくも先頭でアタックする夢は消えたが、気持ちを切り替えコースイン。
こういう状況では何が起きるか分からないから、路面に合わせてタイヤの内圧を高めに設定。とにかく前半勝負! が、結局俺に一発の速さが足りなく2番手で終了。めっちゃ悔しい~っ。

「やばい」これは練習走行を終えたチャボのつぶやき。鈴鹿のセットはS字で決まる。そんなセオリーが頭を何度もよぎるが肝心のS字で足が決まらない。前回もてぎで今季初優勝してからイベントレースも含め目下3連勝中のチャボ助。今回もこの勢いにノッテ完全勝利を納めたいところなのに。1本目の走行はもてぎのセットのまま走り鈴鹿のセットを探る。2本目の走行でセットを決める予定だったが、1周走り終えるや否やミッションご臨終…で早々に終了。おずおずとRS千野のテントに戻ると交換作業が始まっていた。まもなく新品のミッションが運ばれてくる。中古を使わずに迷わず新品を購入して投入する千野アニキ。明日の予選への不安材料を少しでもなくそうとする姿勢に「じ~ん」とくる感動と「ドーン」と重くのしかかる重圧を感じるチャボだった。

土曜日。1ラップの練習で想定したセットアップで挑んだ予選。だが……今週末2度目の「やばい」に直面する。28秒台は出すものの6番手留まりでタイムが上がらない。そんな矢先事故により赤旗中断。チームスタッフの顔色を伺うまでもなく胸の内は想像できた。「何やってんだよっ!」。気合を入れ直し再度コースイン。予選時間残り6分のところで、かろうじて27秒台を出し3番手につけた。だが、明日のタイヤを心配しているピットクルーをよそに、赤い布を目の前で振られた闘牛のように走り続けた。結局、30分フルにタイムアタックを行い、すっかり汗ダクダク&タイヤぼろぼろに……。

決勝

3番手グリッドなら十分に優勝が狙えるポジション。トップに食らいついていけばどこかでチャンスがくるだろうとメカニック陣は予測していた。しかし、チャボの頭の中はスタートダッシュ作戦のみ。この甘い?考えが見事に的中し、今季ベストとも言えるロケットスタートで2コーナーまでにトップに踊り出た。そこからはナリフリかまわずS字ブロック走り。何しろチャボ号は鈴鹿で最も重要なS字のセットアップを捨てた。その結果S字はあきらかに2番手の前嶋選手のほうが速く、毎周回後ろに、横にはりつかれるというありさま。S字は完全ブロック、S字から先で次のS字に備えてマージンを稼ぐの繰り返し。チャボの我慢走りはS字だけではなかった。実はフォーメーションラップから気になっていたのが、いつもにも増して高い水温だった。中盤戦を差し掛かるころには、水温は益々上昇し100度超。水温上昇を睨みつつ、ときに回転を押さえて走ることも強いられていた。危険な状態ながらエンジンの吹け具合はビンビン。よく回るし、速い。ぶっ壊れる寸前の火事場のクソ力ってところか?「こうなりゃ、あとは神頼みだっ」。

ノッているときは運もついてくるらしく無事に今シーズン2度目の優勝をゲット。シャンパンファイトで浮かれるチャボを、斜めに睨みつつ「やっと人並みに脳ミソが成長したな」と誰かがつぶやいていたことは、チャボは知る由もない。

PHOTO:M.A.R.T. / TEXT:サヤマネ

アルテッツァシリーズ2004第3戦

SPコクピット狭山アルテッツァ:アルテッツァワンメイクレース@ツインリンクもてぎ

冷静沈着、計算された走りでパーフェクトウィン!

ツインリンクもてぎ 7/18

予選

シリーズリーダーで迎えた第3戦は、M.A.R.T.メンバーが集結するだけに「オレが見本にならんとな~♪」といっけんご機嫌な様子で土曜日の練習に入ったチャボ。…だが、ココロの内はけっこう大マジだっただろうと推測される。何しろ生きて帰りたきゃ優勝しやがれっ!のスパルタチームのRS千野(1、2戦のレースレポート参照)。もはや2位では許されない状況なのだ。
そして迎えた予選。土曜日に決まったセットアップのままピットロードへ。前回の菅生戦では、勢いよく1番手でコースインしたものの、まんまと赤旗にアタックを寸止めされてしまうという手痛い経験をした。そこで今回はラスト狙い。次々と車両がコースに出ていく姿をじっくりと見送り、誰もいなくなった見通しの良いピットロードを走り抜けてコースイン。前回とは全く逆のやり方だがこれは計算の上。気温が高いため路面温度からタイヤの内圧が早々に高まることを予想し、アタックは2周目の一発にかけた。これが見事に成功し今季初のポールポジションをGET。いつものおちゃらけチャボはどこへ行ったの?というくらいに研ぎ澄まされた集中力を見せつけた予選だった。が、ポールを取ってもチームは特別に騒ぐ雰囲気もなし。ちょっぴり寂しくなったのか「オレのポールエキスをくれてやる~」と、インテ予選前のゴッツの応援へ…もとい自慢しに駆けつけたのでした。

決勝

ポールポジションで迎えたスターティンググリッドは視界良好で気持ちよさそうなチャボ。久しぶり(!?)のチャボの快挙にグリッドに駆けつける応援者も熱が入る。そして決勝。キレのある抜群のタイミングでスタートを決めトップで1コーナ‐へ。1周、2周と周回を重ねるごとに2番手との差を広げていくチャボ号。中盤以降は後半戦のためにタイヤ温存を念頭に、2番手、牧田選手との間を計りながら約2秒差をキープする。牧田選手がコンマ5タイムを縮めると、チャボもコンマ5タイムアップするというように、チャボらしからぬ冷静沈着な走り……。昨年は中盤戦でミッショントラブルに見舞われ優勝を逃すという、苦い経験も頭をよぎったようで「壊れないでくれ~」と拝みながら走っていたらしい。そんなチャボの不安な胸のうちとはよそに、中盤になるにつれ車とタイヤのマッチングが良くなり、8周目にはなんとファステストラップを更新! ときに、優し~いメカニックが用意してくれたドリンクを“チュッ”と飲んで集中力をキープしながら終始安定した走りをもって、トップでチェッカーを受けた。予選はポールポジション、決勝はファステスト&優勝!と、バッチリ決めたチャボ殿下。正直、上手く行き過ぎて笑いが止まらない!?いやはやキメ過ぎちゃって怖くなるくらいにスマートな勝ち方なのでした。さてチームに戻ると「次の鈴鹿でおまえの真価が問われるな…」と男気ある祝福の言葉が。ビールの海に浸かりかけていたチャボの酔いも一瞬で冷めたそうな。

PHOTO:小林克好・柳田由人 / TEXT:サヤマネ

アルテッツァシリーズ2004第1戦

「スタートでトップに出る!」と思ってるハズなんだけど、そんな気合いとはほど遠い顔。

開幕戦から気分は崖っぷち!
決勝はトラブル続出の大雨

TIサーキット英田 4/3-4

予選

昨シーズン、実は一度も表彰台に立っていないオレことチャボ。また今年も同じことが繰り返されるようならカンペキ引退。気分はまさに崖っぷち。しかも開幕一週間前、うちのメンテナンスチームRS.CHINOに訪ねたとき、ガレージの真ん中に真っ裸にされたアルテッツァのボディがポツンと置かれていた。その前で千野さんが「うちは金がないから、作り直してんだよ」とひと言。実はこのボディ、初代チャンピオンの本吉の時代から使われているもので、今年で5年目。もともとあったスポットの間にさらに細かくスポットを打ち直してる千野さんの姿から今年の意気込みがヒシヒシと感じられ、オレの崖っぷち感はさらにアップした。
さてさて舞台はTI。東京から夜通し10時間のロングラン、超寝不足で迎えた金曜の練習だったけど、かなりの好感触。やっぱりボディを作り直しただけあって、かなりイイ感じ。
そして迎えた予選。狙いはもちろんポールポジション!……だったんだけど、一番タイヤの美味しいところで低速車に引っかかってしまった。再度アタックするも、チビチビ更新するだけでポールまでコンマ3秒。結局2番手という結果で終わった。はぁ、情けない……。

決勝

決勝当日はなんと雨。去年アルテッツァは一度も雨降ってないんだよね。だからオレも初の雨アルテ。こうなったら、メカニックの勘にまかせてセッティングしてもらうっきゃない。
そしていよいよ決勝スタート。予定ではロケットスタートでトップに立つハズだったんだけど、初っぱなからミス!それでも2番手をキープし、勝負を決めようと飛び込んだ2周目の最終コーナー。ぬわんと、痛恨のスピン!思わず「マジかよっ!?」と焦るオレ。エンジンまでストールしちゃって完全ストップ。かぶったせいでなかなかセルがかからず、結局コースに復帰したときは単独ビリ。恥ずかしいやら、千野さんたちに申し訳ないやら、本気で泣けてきた。しかし、勝負の女神様はまだオレを見放していなかった。最終コーナーで数台がスピン&クラッシュし、赤旗中断。オレにとっては不幸中のチョー幸い!再スタート後はとにかくガンガン攻めまくり、なんとか3位でチェッカー。しかし予選2番手から3位フィニッシュとあって、ピットに帰ったときはみんなに怒鳴られ、殴られクソ扱い。シュンと落ち込んでいたら、またまた女神様が舞い降り、トップの車両に規定違反が発覚。タナボタで2位となり、オレのシートは首の皮一枚でなんとか奪われずにすんだっつーワケ。
とにかくテンヤワンヤの決勝だったけど、シーズンオフボケもこれで直ったし、次回の菅生で名誉挽回(もともとないって?)。今度こそ優勝してみんなでドンチャン騒ぎしたいね。

PHOTO:M.A.R.T. / TEXT:サヤマネ

アルテッツァシリーズ2003第6戦

アルテッツァレース

マシンセットアップも上々で気分も上昇!!
が、まさかの悲劇が勃発……

ツインリンクもてぎサーキット 9/13-14

予選

金曜日の練習日。30分×2本の走行。この日はいつになく気合が入っていたチャボ。何しろ第3戦後にシリーズ4位から3位へと踊り出たからだ。ここで表彰台に上がればシリーズチャンプへのアドバンテージが大きく稼げる。ところが1本目の走行中にエンジンブロー。マシンのセットも不十分。ガックリ肩を落としていたところにRS千野のアニキがひとこと。「絶対に走らせてヤル!!」その後は信じられない神業でエンジン換装、ミッション交換、LSDもファイナルを組み直し。ギリで走行時間に間に合い2ラップの計測ができた。たった2周ながらこれまでのチャボ総決算!といわんばかりのパワーと集中力を発揮してマシンセットは無事に終了。ってな塩梅でチーム全体の指揮が高まるなか迎えた予選。マシンは格段と走りやすくなったもののいまひとつタイムが出ない。トップタイムをたたき出したチームメイトの川崎号をコース場で探し求めて両手を合わせて神頼み。「お願~い。ボクを引っ張って~(ココロの叫び)」。川崎サンが手を挙げついてこい!(ちょっと惚れた:チャボ後日談)のサイン。川崎号に引っ張ってもらう形で15秒台から14秒台へのせ、トップ川崎号から遅れること約コンマ3秒差で予選5番手を手に入れた。決して納得のいく順位じゃない。でもチャボ自身はかなり手ごたえを得た予選だったのだ。

決勝

昨晩は芋焼酎で瞑想。表彰台にのるためのシミュレーションも終了済み。チャボのボルテージは最骨頂に。レースのシナリオはこうだ。得意のスタートダッシュで一台を抜き、前半戦でもう一台抜く。あとはトップ集団に食らいつき表彰台をねらう。決勝。キレのある見事なロケットスタートを決め、一台をパス。あとは事前に描いたシナリオ通りに(不気味なほど正確に)ことが運ぶ。マシンにも乗るに乗れていた。予選でチャボが得たのはタイムアップだけでなく、アルテッツァの走らせ方だったのだ。ノリも勢いも上昇! ポジションは3番手まで上がっていた。トップ2台はペースが上がっていないこともあり、がっちりとその後方に食らいつき。このまま行けば2台をもパスできる瞬間が訪れる! そんな空気が流れていた。ところが……。4速ミッションから異音が発生。その後だましだまし走行を続けたものの他のギヤも不調和音。結局、ミッショントラブルでリタイアとなった。今期初のリタイアは同時にチャンピオンへの夢もチャボのココロも打ち砕いてしまったのでした。

PHOTO:石原康 / TEXT:サヤマネ

アルテッツァシリーズ2003第5戦

SPコクピット狭山アルテッツァ

表彰台に立たずしてシリーズ3位に昇進!?

鈴鹿サーキット 8/23-24

予選

夏まっさかりの8月、鈴鹿サーキットで行われた第5戦。鈴鹿はチャボの好きなコースだが、コースレイアウトが変更してから走るのは初。モチロン、ここでもねらうは表彰台。現在シリーズ4位というポジションにはいるものの、一度も表彰台に立っていないという状況にいいかげん嫌気がさしていたチャボ助は、練習日から鼻息が荒い。第4戦からのインターバルがわずか2週間ということもあり、今回も事前テストはなし。さてそんな不安要素はひとまず頭から削除。だからこそ金曜日は本番さながらの集中力が必要なのだ。毎戦ひとつずつ仕様を変更しながらマシンのセットアップしてきたチャボ。周囲の上位陣は3、4年目のシリーズ経験者ばかり。少しずつながらチャボはチャボ流のやり方でマシンのセットアップが決まりつつあった。そして迎えた土曜日の予選。気温が上昇することを想定してアタックは早めに決行。ベストはやはり最初のアタック。その後トップとの差が1秒以上あったため再度アタックするものの更新できず終いで6番手となった。その後、暑さを忘れるため、今日の出来事を振り返られないために日本酒に魂を売ったチャボでした。「今度泥酔したら鈴鹿の池に埋めてやる!」と誰かがが言ったそうな。

決勝

うだるような暑さのなかスタートした決勝。フォーメションラップで五右衛門風呂に浸かっているような気分のチャボ。そんなだるさもグリッドにつけば一瞬に吹き飛ぶ。シグナル点灯。これでもか!といわんばかりの力強く繊細なスタートを決めたチャボは一台をパスし5番手へ。そのままベテラングループが集結するトップ集団のなかに身を投じる。あいもかわらず激しいバトル。接触すれすれのバトルには毎回全神経を研ぎ澄まさなくちゃ残れない。中盤戦。トップ2台が先行し、3番手争いとなった。3番手の激しいブロックに4番手の川崎号がてこずるという状態で、5番手のチャボも抜くに抜けない。チャボの後方も数珠つなぎに数台のマシンが連なった。ワンミスが接触、クラッシュになる可能性が大の展開に、チャボは渾身の力を振り絞って走りに集中。最終ラップ。最終シケインでポジションアップの機会に恵まれたが、追い抜くまでには至らず。コンマ1秒差で5位のままフィニッシュとなった。だがシリーズは4位から3位へとポジションアップ!「次こそは表彰台にのってやる~!!」と、鈴鹿山脈に別れを継げながら夕日に誓いを立てたチャボでした。

PHOTO:石原康 / TEXT:サヤマネ

アルテッツァシリーズ2003第4戦

SPコクピット狭山アルテッツァ:アルテッツァワンメイクレース第4戦

予選アタックを強制終了させた赤旗
踏んだり蹴ったりだぁ~

富士スピードウェイ 8/2-3

予選

すっかり梅雨も明け夏らしいレースウィークとなった第4戦。今回はゴッツのインテグラも同時開催。M.A.R.T.メンバーで表彰台にたっていないのは何気にゴッツとチャボだけだったりする。その事実に気づいたのか、今期2度目の開催となる富士は新たな気合入れとともに練習に入ったチャボ。毎戦金曜日のみでマシンセットアップをこなすチャボにとって、練習日はまったくもって気が抜けない。普段は絶対に見られない、研ぎ澄まされた集中力でマシンのセットアップを完了。そして意気揚揚と土曜日の予選へ。
ところが結果はなんともはやの11番手。今回の予選はチャボにとって不運の連続だった。まずひとつ、LSDの慣らしが不十分であったこと。ふたつ目に、猛烈なアンダーステアに見舞われていたこと。みっつ目に、アタック中に黄旗が出たり、さらに最後の猛烈不運……アタック中にも赤旗で強制的に終了させられてしまったのだ。コイツが一番痛かった。

決勝

ポジションは自身を疑いたくなる11番手。どう前向きに考えてもレース展開は厳しい。それでもM.A.R.T.メンバーを始め、NOB谷口選手やたいせーサンが応援にグリッドに駆けつけてくれた。とにかく自分らしいレースをするゾ!と気分を一新。
決勝スタート。抜群のタイミングで好スタートを切った。序盤戦で早くも7番手までポジションアップ。ぐいぐいと順位を上げるチャボの走りに仲間の応援も熱くなっていく。5台が連なる大激戦区の6番手争いに加わりバンパーtoバンパーの大バトルを展開。毎戦こうも激戦区に身を投じるチャボを見ていると、あえて混戦を選んでいるかのようだ(って、トップに入ればこんなことはない?)。ところがこの混戦のネックが水温の上昇。ピッタリと吸い付くように後方車に張り付き、抜きにかかるチャボ号は沸点に近づいていく水温上昇に悩まされていた。結果は7位。
ところがレース後の最車検でひとつ順位が繰り上がり6位入賞をゲット。小さな棚ボタながらポイントを確実に稼ぐ謙虚なチャボ助なのでした。

PHOTO:上尾雅英・小林直樹 / TEXT:サヤマネ