アルテッツァシリーズ2004第4戦

ナリフリ構わずガマンの走りで怒涛の2連勝達成!

鈴鹿サーキット 8/21-22

予選

悪夢のTIから早一ヶ月。第2戦の舞台はスポーツランド菅生。今回の気合は予選から全開モード。なんつったって先頭に並んで一番最初にコースインしたんだよ。
でもね、こういう時に限って珍しい事が起きるんだ。ベテラン中のベテラン、福嶌選手が早々にクラッシュ&リタイア。で、赤旗中断。惜しくも先頭でアタックする夢は消えたが、気持ちを切り替えコースイン。
こういう状況では何が起きるか分からないから、路面に合わせてタイヤの内圧を高めに設定。とにかく前半勝負! が、結局俺に一発の速さが足りなく2番手で終了。めっちゃ悔しい~っ。

「やばい」これは練習走行を終えたチャボのつぶやき。鈴鹿のセットはS字で決まる。そんなセオリーが頭を何度もよぎるが肝心のS字で足が決まらない。前回もてぎで今季初優勝してからイベントレースも含め目下3連勝中のチャボ助。今回もこの勢いにノッテ完全勝利を納めたいところなのに。1本目の走行はもてぎのセットのまま走り鈴鹿のセットを探る。2本目の走行でセットを決める予定だったが、1周走り終えるや否やミッションご臨終…で早々に終了。おずおずとRS千野のテントに戻ると交換作業が始まっていた。まもなく新品のミッションが運ばれてくる。中古を使わずに迷わず新品を購入して投入する千野アニキ。明日の予選への不安材料を少しでもなくそうとする姿勢に「じ~ん」とくる感動と「ドーン」と重くのしかかる重圧を感じるチャボだった。

土曜日。1ラップの練習で想定したセットアップで挑んだ予選。だが……今週末2度目の「やばい」に直面する。28秒台は出すものの6番手留まりでタイムが上がらない。そんな矢先事故により赤旗中断。チームスタッフの顔色を伺うまでもなく胸の内は想像できた。「何やってんだよっ!」。気合を入れ直し再度コースイン。予選時間残り6分のところで、かろうじて27秒台を出し3番手につけた。だが、明日のタイヤを心配しているピットクルーをよそに、赤い布を目の前で振られた闘牛のように走り続けた。結局、30分フルにタイムアタックを行い、すっかり汗ダクダク&タイヤぼろぼろに……。

決勝

3番手グリッドなら十分に優勝が狙えるポジション。トップに食らいついていけばどこかでチャンスがくるだろうとメカニック陣は予測していた。しかし、チャボの頭の中はスタートダッシュ作戦のみ。この甘い?考えが見事に的中し、今季ベストとも言えるロケットスタートで2コーナーまでにトップに踊り出た。そこからはナリフリかまわずS字ブロック走り。何しろチャボ号は鈴鹿で最も重要なS字のセットアップを捨てた。その結果S字はあきらかに2番手の前嶋選手のほうが速く、毎周回後ろに、横にはりつかれるというありさま。S字は完全ブロック、S字から先で次のS字に備えてマージンを稼ぐの繰り返し。チャボの我慢走りはS字だけではなかった。実はフォーメーションラップから気になっていたのが、いつもにも増して高い水温だった。中盤戦を差し掛かるころには、水温は益々上昇し100度超。水温上昇を睨みつつ、ときに回転を押さえて走ることも強いられていた。危険な状態ながらエンジンの吹け具合はビンビン。よく回るし、速い。ぶっ壊れる寸前の火事場のクソ力ってところか?「こうなりゃ、あとは神頼みだっ」。

ノッているときは運もついてくるらしく無事に今シーズン2度目の優勝をゲット。シャンパンファイトで浮かれるチャボを、斜めに睨みつつ「やっと人並みに脳ミソが成長したな」と誰かがつぶやいていたことは、チャボは知る由もない。

PHOTO:M.A.R.T. / TEXT:サヤマネ